- 銀行員の転職が難しいと言われる理由が知りたい
- 銀行員が転職活動で評価される実績や資格を知りたい
- 銀行員から転職するために、何から準備すべきか知りたい
「今よりも成長できる環境で働きたい」「銀行員としての経験を活かして、別の業界に挑戦したい」「転勤や働き方を見直したい」
このような理由から、転職を考えている銀行員も多いのではないだろうか。
銀行員の転職は、決して不可能ではない。ただし、銀行での経験は担当業務によって幅が広く、採用企業から見ると「何ができる人なのか」が伝わりにくいことがある。そのため、実績や専門性を整理しないまま転職活動を始めると、思うように評価されないケースもある。
本記事では、銀行員のよくある転職理由を整理したうえで、銀行員の転職が難しいと言われる理由、転職活動で評価されやすいポイント、今から準備すべきことを解説する。
現在銀行員で、将来的に転職を検討している方は、自分の経験をどう整理すべきかを考えながら読み進めてほしい。
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銀行員のよくある転職理由|将来性・転勤・働き方への不安が多い
銀行員のよくある転職理由としては、主に以下の5つが挙げられる。
- 銀行業界の将来性に不安を感じた
- 全国転勤や数年単位の異動がライフプランに合わない
- プライベートの時間を確保したい
- 今よりも成長したい、年収を上げたい
- 銀行以外で挑戦したい仕事やビジネスがある
それぞれ詳しく見ていこう。
銀行業界の将来性に不安を感じた|「衰退」よりも業務の変化が大きい
銀行員が転職を考える理由のひとつに、銀行業界の将来性への不安がある。
ただし、銀行業界そのものが一律に衰退していると見るのは正確ではない。全国銀行協会が公表した全国銀行の2025年度中間決算では、資金利益は5兆1,832億円となり、前中間期比で14.6%増加している。
一方で、銀行に求められる役割は大きく変化している。窓口や対面営業だけでなく、アプリ・オンライン取引・決済システムの高度化・AI活用・サイバーリスク対応・サステナブルファイナンスなど、従来とは異なる領域への対応が求められるようになっている。
そのため、銀行員が感じる将来性への不安は「銀行がなくなるかどうか」というよりも、「今の業務経験が将来も評価され続けるのか」「自分のスキルが時代の変化に合っているのか」という不安に近い。
本サイトが2024年7月に実施した20代銀行員18人へのアンケートでも、転職しようと思ったきっかけとして「業界の将来性に不安を感じた」が33.3%で最多だった。ただし、母数は18人であるため、すべての銀行員に当てはまる傾向として断定せず、ひとつの参考情報として捉えるのがよい。
銀行業界の変化に不安を感じる場合は、今の業務で得ている経験が他社でどう評価されるのかを早めに整理しておくことが重要だ。
全国転勤や数年単位の異動がライフプランに合わない
転勤や異動の多さを理由に転職を考える銀行員も少なくない。
特にメガバンクや広域に店舗を展開する銀行では、本人の希望だけでは勤務地を決めにくい場合がある。数年単位で異動があり、担当業務や勤務地が変わることもあるため、将来の生活設計が立てづらいと感じる人もいるだろう。
家族がいる場合は、単身赴任をするのか、家族全員で転居するのか、子どもの進学や配偶者の仕事をどうするのかといった問題も出てくる。
また、土地勘のない地域に転勤すると、業務だけでなく生活面でも新しい環境に慣れる必要がある。人間関係を一から築く負担も小さくない。
そのため、勤務地を限定できる企業や、転勤の可能性が低い職種へ転職したいと考える銀行員がいるのだ。
プライベートの時間を確保したい
銀行員は、担当業務によっては勤務時間外の学習負担が大きくなりやすい。
例えば、金融商品の販売・勧誘を行う場合は、証券外務員資格や外務員登録が関わる。生命保険や損害保険を扱う場合も、募集人登録や試験・教育制度が関係する。さらに、行内で推奨される資格や、昇格に関わる資格の学習が必要になることもある。
もちろん、資格取得や知識習得は銀行員としての専門性を高めるうえで重要だ。しかし、業務終了後や休日の時間を使って勉強する状態が続くと、プライベートとの両立に悩む人も出てくる。
また、法人営業やリテール営業では、顧客対応、社内事務、目標管理、会食やゴルフなど、勤務時間外の負担が発生するケースもある。
そのため、「土日祝日はしっかり休みたい」「残業や休日対応を減らしたい」「資格勉強に追われる働き方を見直したい」と考え、転職を検討する人もいる。
今よりも成長したい・年収を上げたい
銀行には、個人営業、法人営業、融資、審査、事務企画、リスク管理、市場部門、システム関連など、さまざまな部門がある。
担当業務によっては専門性を磨ける一方で、ルーティン業務が中心となり、自分の成長を実感しにくい場合もある。特に若手のうちは、配属や異動によって経験できる業務が左右されやすく、「このまま働き続けて市場価値が上がるのか」と不安になることもあるだろう。
また、銀行では年功序列に近い評価制度が残っている場合もある。高い成果を出しても、すぐに給与や役職に反映されにくいと感じる人もいる。
そのため、成果が報酬に反映されやすい企業や、若手でも裁量を持てる環境、専門性を磨ける職種に転職したいと考える銀行員もいる。
銀行以外で挑戦したい仕事やビジネスがある
「銀行では経験しにくい仕事に挑戦したい」という理由で転職を考える人もいる。
例えば、リテール営業で資産運用や住宅ローンを担当していた人が、IFA、保険代理店、不動産、資産コンサルティングなどに関心を持つことがある。法人営業で中小企業の融資や財務相談に携わっていた人が、M&A、事業承継、経営コンサルティング、事業会社の財務部門に興味を持つケースもある。
銀行員として顧客の資金面を支援する中で、「より深く経営支援に関わりたい」「金融サービスを便利にする仕組みづくりに携わりたい」と考えるようになることもあるだろう。
このように、銀行で得た経験をきっかけに、新しい職種やビジネスへ関心が広がることも転職理由のひとつだ。
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銀行員の転職が難しいと言われる理由|スキルが見えにくいと不利になる
銀行員の転職が難しいと言われる主な理由は、銀行での経験が採用企業に伝わりにくいことにある。
銀行員は真面目で責任感があり、数字やルールに強い人が多い。一方で、中途採用では「真面目そう」「大手銀行にいた」という印象だけでは評価されにくい。採用企業は、入社後にどの業務で成果を出せるのかを見ているためだ。
難しい理由1:担当業務が広く、強みが採用側に伝わりにくい
銀行には多くの部門があり、同じ銀行員でも担当してきた仕事は大きく異なる。
個人営業で投資信託や保険、住宅ローンを提案してきた人もいれば、法人営業で融資や財務分析を担当してきた人もいる。審査、事務、企画、リスク管理、システム関連の業務を経験してきた人もいるだろう。
そのため、採用企業から見ると「銀行員」と聞いただけでは、営業力があるのか、財務分析に強いのか、事務処理に強いのか、マネジメント経験があるのかが分かりにくい。
転職活動では、銀行名や部署名だけでなく、担当顧客、扱った商品、目標達成率、融資実行額、改善した業務、関係者との調整内容などを具体的に説明する必要がある。
難しい理由2:銀行内の評価と転職市場の評価が一致しにくい
銀行内で評価される能力と、転職市場で評価される能力が必ずしも同じとは限らない。
例えば、行内ルールを正確に守る力、支店内での調整力、事務処理の正確性は銀行では重要だ。しかし、異業種への転職では、それだけでは評価されにくい場合がある。
一方で、法人の決算書を読み取る力、顧客の課題を整理する力、金融商品を分かりやすく説明する力、厳格なコンプライアンス環境で働いてきた経験などは、転職先によっては高く評価される。
大切なのは、銀行内の言葉をそのまま伝えるのではなく、応募先企業が理解しやすい言葉に置き換えることだ。
「融資を担当していた」だけではなく、「中小企業の決算書をもとに返済可能性を分析し、資金繰りや事業計画を踏まえて融資提案を行っていた」と説明すれば、採用側も経験をイメージしやすくなる。
銀行員の転職成功に必要な3つのフェーズ
銀行員が転職を成功させるには、以下3つのフェーズを意識する必要がある。
- 自分の経験・スキル・希望条件を整理すること
- 自分の能力が発揮できる会社や職種を見つけること
- 職務経歴書と面接で、採用側に伝わる形に言語化すること
まず必要なのは、自分自身の経験を棚卸しすることだ。どのような顧客を担当し、どのような商品やサービスを扱い、どのような成果を出したのかを整理しよう。
次に、自分の経験が活かせる会社や職種を探す必要がある。銀行員の転職先は、金融業界内だけではない。IFA、保険、不動産、M&A、コンサルティング、事業会社の財務・経理、SaaS営業、FinTech企業など、経験の活かし方は複数ある。
そして最も重要なのが、内定を勝ち取るための選考対策だ。どれだけ自分に合う企業を見つけても、職務経歴書や面接で強みが伝わらなければ内定にはつながらない。
内定に近づくには、主に以下の3つを実施する必要がある。
- 自分自身の実務経験やスキルの棚卸し
- 転職する業界・職種の研究
- 職務経歴書と面接の対策
中途採用では、履歴書や職務経歴書の提出が基本となる。職務経歴書では、銀行内での役割をただ並べるのではなく、応募先企業が評価しやすい成果や行動に変換して書くことが大切だ。
例えば、営業担当であれば、目標達成率、担当顧客数、預かり資産残高、融資実行額、紹介件数、表彰実績などを整理しておく。事務や企画部門であれば、業務効率化、ミス削減、マニュアル整備、プロジェクト推進、関係部署との調整内容などを整理するとよい。
また、転職する業界の研究も欠かせない。応募先企業がどのような顧客に、どのような価値を提供しているのかを理解したうえで、自分の経験がどこで活かせるのかを明確にしよう。
面接では、転職理由、銀行を辞めたい理由、応募先で実現したいこと、これまでの成果、失敗経験、希望条件などを聞かれやすい。ネガティブな退職理由だけで終わらせず、「今後どのような仕事で価値を出したいのか」まで説明できるように準備しておきたい。
転職活動は、普段の業務を行いながら業務終了後や休日に進めることになる。自分ひとりで進めるのが難しい場合は、銀行員の職務内容を理解している転職エージェントに相談し、経験の棚卸しや職務経歴書の整理を手伝ってもらうのも選択肢のひとつだ。
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銀行員の転職活動における市場価値|評価される実績と資格
ここでは、以下の2つについて解説する。
- 銀行員が転職活動で評価されるポイント
- 銀行員の転職活動で評価されにくいポイント
それぞれ見ていこう。
銀行員が転職活動で評価されるポイント|営業成果と専門性が軸になる
銀行員が転職活動で評価されやすいポイントは、大きく分けると「営業成果」と「専門性」の2つだ。
営業成果については、単に「営業をしていました」と伝えるだけでは不十分である。採用側が評価しやすいように、できるだけ数字で示すことが大切だ。
- 同期や同職位の中での順位、表彰実績、目標達成率
- 担当顧客数、預かり資産残高、融資実行額、収益額、紹介件数
- 顧客課題をどのように把握し、どのような提案で成果につなげたか
20代半ばまでの若手であれば、営業成績だけでなく、ポテンシャルや学習意欲、業務への適応力が評価されることもある。英語力、データ分析、資料作成、ITリテラシーなど、銀行以外でも使えるスキルがあれば補足しておきたい。
一方で、年次が上がるほど、ポテンシャルよりも実績・専門性・マネジメント経験を見られやすくなる。資格を持っているだけでなく、その資格をどの業務で活かしてきたのかを説明できることが重要だ。
リテール、法人営業、資産運用、不動産、財務・経理などへの転職で評価されやすい資格の概要は以下のとおりだ。
| 資格名称 | 内容 |
|---|---|
| 1級ファイナンシャル・ プランニング技能士 | FP技能検定の1級に合格した人が名乗れる国家検定の資格。資産設計、保険、不動産、相続など幅広い金融知識を示しやすい。 |
| CFP® (Certified Financial Planner) | 日本FP協会が認定する、世界各国・地域で認定されているプロフェッショナルFP資格。長期的・総合的な資産相談に関わる職種でアピールしやすい。 |
| 証券アナリスト (CMA) | 日本証券アナリスト協会認定アナリスト。金融・投資の専門知識、企業財務、資本市場、投資価値の分析などを体系的に学ぶ資格。 |
| 宅地建物取引士 | 不動産取引に関する国家資格。宅地建物取引業法第35条に基づく重要事項説明など、不動産取引に関わる業務で活かしやすい。 |
| 日商簿記2級 | 高度な商業簿記・工業簿記を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握する力を示しやすい資格。 |
資格は、保有数が多ければよいわけではない。転職活動では「どの資格を持っているか」だけでなく、「その資格を使ってどのような実務をしてきたか」が見られる。
例えば、1級FP技能士やCFP®は、資産相談、IFA、保険、証券、不動産、富裕層向け営業などと相性がよい。証券アナリスト(CMA)は、運用、リサーチ、財務分析、M&A、事業会社の財務部門などでアピールしやすい。宅地建物取引士は、不動産、住宅ローン、不動産担保融資などとの関連性を説明しやすい。日商簿記2級は、法人営業、財務分析、経理、管理部門への転職で活かしやすい。
つまり、資格は「持っていること」よりも「応募先でどう活かせるか」をセットで伝えることが重要である。
銀行員の転職活動で評価されにくいポイント|銀行名だけでは強みになりにくい
銀行員の転職活動で評価されにくいのは、「有名な銀行にいた」「大手金融機関に所属していた」という事実だけをアピールすることだ。
メガバンクや地方銀行に所属していたことは、一定の信頼感につながる場合がある。しかし、中途採用では最終的に「入社後に何ができるか」が見られる。所属銀行名だけでは、営業力、専門性、企画力、マネジメント力までは伝わらない。
また、以下のようなアピールは評価につながりにくい。
- 「銀行で働いていたので金融知識があります」とだけ伝える
- 担当業務や成果を具体的な数字で示していない
- 資格はあるが、実務でどう活かしたかを説明できない
- 転職理由が現職への不満だけで終わっている
将来的な転職を見据えて銀行で働き続けるのであれば、日々の業務の中で「数字で示せる成果」と「外部でも通用する専門性」を意識しておくことが大切だ。
具体的には、営業成果、顧客課題の解決事例、融資や資産運用の提案経験、業務改善、後輩指導、プロジェクト推進などを記録しておくとよい。転職活動を始めてから思い出そうとしても、具体的な数字やエピソードが出てこないことがあるためだ。
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銀行員の転職を成功させる準備|職務経歴書と面接で確認すべきこと
本記事では、銀行員のよくある転職理由を整理しつつ、銀行員の転職が難しいと言われる理由や、転職活動で評価されるポイントについて解説した。
銀行員の転職では、年次が上がるほど、単なるポテンシャルではなく、実績・専門性・マネジメント経験を見られやすくなる。一方で、営業成果や専門資格、融資・財務分析・資産運用提案などの実務経験があれば、転職先によっては十分に評価される可能性がある。
転職を考え始めたら、まず以下の点を確認しておこう。
- 営業成績、担当顧客数、融資実行額、預かり資産残高などを数字で整理する
- 資格や専門知識を、どの実務で活かしたのかを言語化する
- 転職で解決したいことを、勤務地・年収・働き方・仕事内容に分けて優先順位をつける
- 応募先の業界や職種を調べ、銀行員経験がどこで活きるのかを確認する
- 面接で「なぜ銀行を辞めたいのか」「なぜその会社なのか」を前向きに説明できるようにする
今すぐ転職する予定がなくても、将来的に転職する可能性があるなら、早めに自分の市場価値を把握しておくとよい。自分の経験がどの業界・職種で評価されるのかを知っておけば、現在の業務で意識すべき成果や取得すべき資格も見えやすくなる。
なお、転職エージェントは全国各地に多く存在するが、アドバイザーナビが運営する「銀行転職」は、銀行業界に特化した転職支援サービスである。金融業界出身者の転職エージェントに無料で相談できるため、銀行員としての経験をどう整理すべきか迷っている方は、選択肢のひとつとして活用を検討してほしい。
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出典
金融庁「2025事務年度 金融行政方針」(公開日:2025年8月29日)
全国銀行協会「全国銀行の2025年度中間決算の状況(単体ベース)」(発表日:2025年12月26日)
銀行転職「【2024年7月調査】20代銀行員の転職に関するアンケート調査」(公開日:2026年4月10日)
日本証券業協会「外務員」
生命保険協会「業界共通試験」
日本損害保険協会 損保代理店試験「損保一般試験」(更新日:2026年2月19日)
日本FP協会「FP技能検定とは」
日本FP協会「CFP®資格とは?」
日本証券アナリスト協会「CMAとは」
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